ラ・リオハ州のワイナリー見学 オンタニョン(Ontanon)

ラ・リオハ州のワインはスペイン人の多くが信頼を寄せるワインです。アロの街に大手ワイナリーが集合してるという記事を書きましたが、私はログローニョ近郊のワイナリーを訪れました。ログローニョの街の観光と合わせて見学しやすいと思います。

オンタニョンワイナリーの歴史

オンタニョンワイナリーは、30年以上前に創立した家族経営のワイナリー。現在は5代目。ラ・リオハ州の「リオハ・バハ」地方にあります。オンタニョンワイナリーはカスティーリャ・イ・レオン州のブルゴスやナバーラ州にもワイナリーがある、拡大しているワイナリー。ワイナリーの門構えからして貴族のお城のようなゴージャスさです。

オンタニョンワイナリーの魅力

オンタニョンワイナリーが他のワイナリーと異なるのは、ワイナリー全体がミュージアムのような点です。窓ガラスの代わりに、ワインに関する絵柄のステンドグラスがはめ込まれていたり、熟成庫に銅像があったり、あらゆるところに絵画が散りばめられています。

ワインも文化、教養の一部なんだな…と思わせられるワイナリー。1階のテイスティングスペースが素晴らしく機能的。テーブルも壁も白、上からしっかり当たるライトがたくさんあるので夜でも色が見やすいし、全面ガラス張りのため昼間は外からの自然光でワインの艶や色味がしっかり確認できます。

レアな空間としては、地下の瓶熟成庫に小さなテーブルがあり、そこでもテイスティングができます。秘密の会議みたいでユニークです。そして、ここは訪れていませんが、上階には大きなサロンがあります。ここでは大きなグループでの食事会などが行われるようです。

オンタニョンワイナリーの試み

オンタニョンワイナリーは、新しい試みを積極的に手掛けています。醸造所と畑を説明してもらいながら見学し、数種類のワインをテイスティングして終了というワイナリー見学が多いものの、オンタニョンワイナリーは、ユニークはプログラムを企画しています。テイスティング講座や子供向けの見学、ワインとのマリダージュメニューが食べられるなどなど。なかでも地域の子供向けの見学には力を入れているようで、子供用のワインの歴史の絵本も制作しています。

オンタニョンワイナリーのワイン

数種類のワインをテイスティングしたのですが、コストパフォーマンスがいいと思ったのはクリアンサです。(中期熟成)現地では約10ユーロ。濃厚だけど酸味がしかりしていてタンニンが渋すぎない、上質なリオハワインです。そして、余談ですがとってもおいしかったのがぶどうジュース。子供の見学者も多いことから、大人には生ハムとチーズのおつまみとワイン、子供にはチュチェスというグミをおつまみに赤ぶどうジュースを出してくれました。ほんと、ワイナリーが作るぶどうジュースは格別です。

ラ・リオハの秘境  温泉の村アルネディーリョ(Arnedillo)

実はスペインには温泉がたくさんあります。ラ・リオハ州の秘境、アルネディーリョも温泉が湧く村の1つです。川と山に挟まれた、まるで物語に出てくるような小さな村には、スペイン各地から温泉を楽しみに訪れる人が絶えません。

アルネディーリョの自然を満喫

下の項目で紹介する温泉ホテル内だけでもしっかり楽しめるアルネディーリョですが、もし2泊できるなら少し周辺を歩いてみてはどうでしょう?

16世紀から18世紀にかけて建てられたゴシック様式の教会「サン・セルバンド・イ・サン・ヘルマン教会」(Iglesia de San Servando y San German)。「エルミータ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・ペニャルバ」(Ermita de Nuestra señora de penalba)という教会は、10世紀ごろ建てられたと言われるもの。ちょっと珍しいのがハゲワシの観察所もあります。そしておすすめスポットは、川の近くの露天風呂風の温泉。地元の人たちと一緒に自然に囲まれつつのんびりしてみてください。水着着用で!

アルネディーリョのおすすめ温泉スポット

「オテル・スパ・テルマエウロパ・バルネアリオ・アルネディーリョ」(Hotel Spa termaEuropa Balneario Arnedillo)内にある「テルマ・エウロパ」(Terma Europa)、アルネディーリョでおすすめの温泉はここです。(リンクはホテル予約サイトのものです。公式サイトがなかなか表示されなくて。すみません)

小さな村で目立ちすぎるくらい大きなホテル。133もの部屋がある大型ホテルですが天井が高いし、私が訪れたときは温泉ツアーの団体さんがいたにも関わらず、気にならないほどゆったりとした広々とした空間です。温泉目当ての人ばかりだからか、なんとも言えないのんびりリラックスした雰囲気です。部屋もきれいで広く使いやすいのが魅力。

このホテルはホテル内だけで十分満喫できる温泉リゾートホテルです。リラックスできる快適な部屋だけでなく、お食事処も充実。ビュッフェタイプの食事ができるこれまた大きなレストランと、テラス席やカフェがあります。ビュッフェは種類が豊富で料理がきれることがなかったのが嬉しかったです。

大型ホテルだし遅い時間帯に食事に行ったので、料理が売り切れで空っぽのトレーのものが多くても仕方がないかなと思ったのですが、空っぽのものは全くなかったです。子供も大人も食べられるファミリーを想定したビュッフェで、重宝しました。

Hotel SPA TermaEuropa Balneario Arnedillo(ホテル・スパ・テルマエウロパ・バルネアリオ・アルネディーリョ)の温泉

そして肝心の温泉です。温泉と言われなければ温水プールかと思うほどモダンです。でもローマ時代にはもう温泉水が湧いていたというのだから、すごい歴史があります。この「テルマ・エウロパ」は7つもの湧き水が流れ込んだ温泉で、リウマチ、神経痛、気管支炎、ストレスなどに効果があります。

一見温水プールのようだと感じたのは、どうやら「温泉プール」という名目だから。もちろん水着着用で、水泳キャップも必須です。円形の広い温泉は、100㎝くらいだった息子の足が届かなかったくらいなので、やっぱりおとなしく浸かる温泉ではありません。本気で潜ったり泳いだりしている人もいます。

円形のプールに、泡泡のジャグジーや、滝があったり。日本の温泉のような風情はありませんが愉快に遊べます。ホテルも広いですが、温泉も広いので普通の泳ぎたい人はガンガン泳げるのもちょっと不思議な温泉です。清潔だし、お湯も温かくとても気持ちがよかったです。ただお肌効果はあまりなかったかもしれません。

私は時間がなくて全く試せなかったのですが、スパメニューも充実しています。温かい泥を塗ってのマッサージ、アロママッサージ、リンパマッサージ、フェイシャル、ボディ、手や足と至れり尽くせり気持ちよくきれいにしてくれます。心残りはスパが試せなかったことです。温泉+泥マッサージで艶々のお肌になりそう。

タパスバル巡りの秘境、ログローニョってどんなところ?

ログローニョはラ・リオハ州の州都。知る人ぞ知るタパスバル巡りが楽しい街です。マドリードからもバルセロナからも電車で約3時間半、バスク地方の大都市ビルバオからはバスで約1時間半。他都市からの小旅行に最適。人口は約13万人。ワインとガストロノミーの街、サンティアゴ巡礼の通り道の街としても知られます。旧市街散策は絶対外せません。

ログローニョは私が大好きな街の1つです。田舎っぽさが残る小さな街で、人々は明るく優しい。食べ物はおいしくて安い!お洒落なお店はあまりなかったような気がしますが、主に食メインで楽しめる街です。

ログローニョでタパスバル巡り

タパスバル巡りはログローニョの伝統とあり、地元の人たちと混ざって体験できるおいしいタパスのバルがたくさんあります。よく、スペインはどこでもおいしいタパスバルがあると思われるのですが、やはり地方によって差があります。小さな街や村でもタパスの種類が多かったり、拘りのタパスを用意しているバルが多いところと、ドリンクがメインで食べ物はあまり力を入れていないバルが多いバルが多いところがあります。私が昔住んでいたアンダルシア地方の小さな村は、タパスはオリーブやチーズ、生ハムなど冷製のものしかありませんでした。

ログローニョでタパスバル巡りをするなら、ラウレル通り(Calle Laurel)とサン・アグスティン通り(Calle San Agustin)へ行ってみてください。バルが連なるバル通りです。

ログローニョのラウレル通り(Calle Laurel)おすすめタパスバル

・パタ・ネグラ(Pata Negra)Calle Laurel 24

ラ・リオハ州では「ボカティータ」と呼ばれる小さめのバゲットサンドがおいしいバル。行きましたよ~。息子が生ハムサンド食べました。少しもらったのですが、パンにトマトがしっかり塗りこんであって生ハムがぎっしり挟まれていました。生ハムサンドなんてどこのでも同じかと思われるのですが、店によってぜんっぜん違います。生ハムの質とパンの質。パンの焼き方など。

・バル・ロレンソ(Bar Lorenzo)Travesia de Laurel 4

行きました!ピンチョ・モル―ノというタパスがサンドされたティオ・アグス(Tio Agus)というボカティータがおいしいです。スパイシーな豚のヒレ肉がずっしり挟まってます。おいしいです。ペロリと食べられます。しかし、パン系のタパスはバルのはしごをするにはちょっと胃袋に負担が…。

・エル・カナーリャ(El Canalla)Calle Albornoz 1 ラウレル通りと交差する通りです。

こちらはお洒落系のタパスバル。クラシックな郷土タパスもいいけれど、地元の食材を使ったオリジナリティ溢れるタパスもいいものですね。ここでは、地元の人おすすめのうずらの卵と進化系ジャガイモが春巻きみたいな皮に包まれていて口の中でプチンと蕩ける…というタパスを食べました。一口サイズで食べやすいです。もったいないかなと思いますが、ログローニョはレベルの高いタパスが安いので是非お試しを。

ログローニョのサン・アグスティン通り(Calle San Agustin)おすすめタパスバル

・ボデギーリャ・ロス・ロトス(Bodeguilla  Los Rotos)Calle San Agustin 8

炒り玉子が名物タパスのバルです。炒り玉子+様々な具材。チョリソやチストッラ、生ハムにグーラスなどいろんなスペイン食材の組み合わせです。小さなバゲットに乗っけて食べます。

・ラ・ゴタ・デ・ビノ(La gota de vino)Calle San Agustin 14

アリオリソース(ニンニク入りマヨネーズ)が入った豚のヒレ肉かベーコンのサンドイッチがおいしいバル。

ログローニョのバルは、おいしくて食べ応えがあり安い。私みたいに食べることが好きな人には堪らない街です。

ラ・リオハの秘境 ガストロノミーホテルに泊まるエスカライ(Ezcalay)

ラ・リオハ州のログローニョという大きな街から、西へ行くとカスティーリャ・イ・レオン州のブルゴスという街に着きます。エスカライは、ログローニョとブルゴスの真ん中あたりにある、谷間の街です。「リオハ・アルタ」とう地方に立地します。人口約2000人の小さな街ですが、スキーリゾートとして知られています。まさに自然いっぱいの小さなかわいらしい雰囲気の街。見どころを紹介します。

エスカライで必ず泊まりたい!ガストロノミーホテル「エチャウレン」(Echaurren)

「エチャウレン」は、エスカライで100年以上続くホテルです。

現在で5代目、3兄弟が舵をとっています。外観は伝統的な昔のスタイルを残していますが、内装は全面リニューアルされていてとてもモダン。ホテルの部屋はミニマリストでお洒落です。部屋の窓から見える風景は、緑の芝生(夏なら)と向かいにある石造りの豪華なお屋敷。いかにもスキーリゾートな雰囲気です。

が、やはりこのホテルの目玉は食。ガストロノミーホテルと呼ばれるだけに、ホテル内にはミシュラン2つ星の「エル・ポルタル」(El Portal)をはじめ4つのレストラン、バルがあります。「エル・ポルタル」の料理は細部まですごく凝っていて絵画のようなタイプ。

そして「エチャウレン・トラディシオナル」は、今のオーナーたちのお母さん、マリサシェフが切り盛りしていたレストランです。コロッケやひよこ豆の煮ものなど家庭の味がエレガントな雰囲気で味わえます。

「ブリスト・エル・クアルティート」は、今のオーナーさんたちが子供だったとき、学校から帰るとお菓子を食べていたというカジュアルなレストラン。

そして「タパス・バー」。4つのレストランそれぞれで全然違うメニューを楽しませてくれます。オーナーの1人でシェフのフランシスさんは、国外も含め様々なレストランで仕事をしてきましたが、休みごとにエスカライに戻って家の厨房を手伝っていたそうです。

エスカライの街がとても好きで、お母さんが築いたレストランの名声を守ろう、そしてさらに良くしようという意気込みがひしひしと感じられました。お母さんのレシピで作るコロッケは地元の人に愛される名品。

バルセロナも含め取材をしているとコロッケが名物というお店はかなり多いのですが、このお店のコロッケ、さすがです。ホワイトクリームの固さが絶妙で生ハム入り。

朝食までワクワクさせてくれます。手作りのクアハーダは、ヨーグルトのり味わい深くチーズより軽い、不思議なおいしさなのでお試しあれ。

エスカライってどんな街?

茶色の屋根の石造りの家が集まった、かわいい集落といった街全体がかわいいので、ぶらぶらお散歩するだけで素敵な気持ちになれます。軽井沢で静養…といった感じ。「バルデスカライ」というスキー場があるので、スキーをする方にもおすすめ。私は断然夏がいいですが!夏はバスク地方やフランス、ドイツ、イギリスからのバカンス客で賑わいます。

エスカライの見どころ

まず、エスカライは大都市のようにモニュメントやミュージアムを訪れて楽しむ街ではありません。自然や街並みをのんびり満喫する街です。おいしいものを食べつつ!でも歴史ある建築物は見ておきたいもの。例えば市役所。1749年に創立した布巾の工場を改築したもので、市役所とペンションがあります。

街の散策で見ておきたいのは、かわいい広場。「プラサ・デ・ラ・ベルドゥーラ」(Plaza de la verdura)と、「プラサ・デル・キオスコ」(Plaza del quiosco)という2つの広場があります。街の地図をもらって歩いてみましょう。「プラサ・デル・キオスコ」には、「パラシオ・デル・アルソビスポ・バロエタ」(Palacio el Arzobispo Brroeta)という1753年にたてられた宮殿があります。宮殿といっても全く宮殿らしくないのが印象的です。その宮殿の前にある「イグレシア・デ・サンタ・マリア・ラ・マヨール」(Iglesia de Santa Maria mayor)という教会があります。16世紀に建てられた質実剛健な佇まいの教会です。

スペイン ラ・リオハ州の魅力

ラ・リオハ州はスペイン北部にあります。州都は「ログローニョ」。「ログローニョ」はバル文化が盛んなので、近年外国人旅行者にも大人気です。実はラ・リオハ州には1度しか行ったことがないのですが、きっとまた行くと思った素敵な場所でした。ここではラ・リオハ州の魅力をざっとまとめてみます。

ラ・リオハ州は3つに分けられる

ラ・リオハ州の立地は、ざっと言うとスペイン北部。もう少し詳しく言うと、北はバスク地方、北東はナバーラ州、南東はアラゴン州、西と南はカスティーリャ・イ・レオン州と接する、海のない小さな州です。

とはいえ「リオハ・アルタ」「リオハ・メディア」「リオハ・バハ」の3つの地域に分類されています。まず「リオハ・アルタ」はリオハ上部。日本語にそのまま訳すと「リオハ上部」「リオハ真ん中」「リオハ下部」北、中央部、南ではなく、西側から「リオハ・アルタ」「リオハ・メディア」「リオハ・バハ」と分けられています。それぞれ気候などが微妙に異なります。

大手ワイナリーの見学ができる!ワインと言えばラ・リオハ

ラ・リオハ州の名産品は、ワイン。ワインはスペイン全土で生産されていますが、なかでもラ・リオハ州のワインは伝統的に定評があります。

スペインワインはD.O.という原産地呼称制度で品質が位置付けられますが、ラ・リオハはその第1号の認定地方です。それだけ国民がリオハワインの品質を認めているということですね。

「とりあえずリオハのワインにしておこう」という人がスペインにはどれだけ多いことか!ワインリストを開きもせずにリオハワインの有名メーカーのワインをオーダーするおじさま方がとっても多いのです。(ソムリエだったので、他のワインも試してほしくて苦労しました)

ラ・リオハ州の西側地域「リオハ・アルタ」のアロという街には、スペインでよく知られる大手のワインメーカーの醸造所が集まっています。アロはHAROと書くのですが、スペイン語はHを発音しないので、アロと読みます。

アロの街はワインツーリズムにも力を入れているので、ワイナリーの見学ができたり、ワインテイスティングのスペースがあるワイナリーが多いです。大きなワイナリーが多いので、施設も大きくスペインのワイン産地のなかではエンターテイメント性のあるワインツーリズムが展開されています。

トマティーナより凄い?!ワインレッドに染まるワイン祭り

スペインには、「サンフェルミンの牛追い祭り」やトマトをぶつけ合う「トマティーナ」など激しいお祭りがありますが、ラ・リオハのワイン祭りもその一つ。スペイン3大クレイジー祭りの1つと言えます。

毎年6月29日サン・ペドロの祝日の午前中に、アロの街外れで開催されます。アロの守護聖人サン・フェリセスが祀られる礼拝堂のある山が会場です。アロの街から約5キロ、車やバス、徒歩で山に向かうと、バケツや水鉄砲でワインをかけ合うワインの戦の始まりです。なんと10万リットルものワインが使われるとか。

野菜の産地、「カラオッラ」

「リオハ・バハ」にある「カラオッラ」は、野菜の名産地。スペイン北部で消費される多くの野菜や果物は「カラオッラ」で収穫されます。そして瓶詰にした野菜は国外に輸出されています。「カラオッラ」は約24,000人が暮らす小さな街ですが、旧市街には立派な野菜博物館があり、街の見どころになっています。また、5~9世紀に栄えた街とあり、美しい古い街並みがそのまま残っています。

安くておいしいタパス三昧なら「ログローニョ」

マドリードやバルセロナなどの大都市では、ツーリスト向けの高くてあまりおいしくないタパスがあるバルが少なくないのですが、「ログローニョ」ではその心配がありません。

なぜならツーリストよりもタパスをつまんでバルを巡る習慣がある地元の人が多いので、店も手を抜けないのです。地元の人たちは、このバルではこれ、あのバルではこれを食べると決めていると言います。ログローニョの人たちはとっても気さくで話しやすいので、バルに入ったら、近くの人におすすめのタパスを聞いてみるといいですよ。

ラ・リオハ州の秘境 キノコの街プラデホン(Pradejon)

「プラデホン」は、人口約4,300人の小さな街です。一見住居以外何もありません。ただちょっと変わっているのは、スペインで初めてで唯一、キノコツーリズムに力を入れている街という点です。そんなキノコの街を訪れてみました。

「プラデホン」がキノコの街になった理由

「プラデホン」は、スペインで消費されるマッシュルームやキノコの約60%を生産する街です。

昔はその他のラ・リオハ州の街同様にワインの生産に力を入れていたそうですが、フィロキセラ(ブドウアブラムシ)にやられてしまい、ワインが作れなくなってしまいました。そこへ現れた救世主は、あるフランス人。村のある家族にキノコの栽培方法を伝授。それがとってもうけて、マッシュルームがどんどん売れ、彼らも他の家族にキノコの栽培方法を教えてやがて街の人みんながキノコ栽培に携わるように。

今では街の人ほぼ全員が何らかの形でキノコの仕事に携わっているそうです。

キノコの街「プラデホン」のキノコミュージアム(Centro de interpretación del champinon y setas de la Rioja)

「プラデホン」は、キノコツーリズムの街なので、ミュージアムと栽培所の見学のセットも街をあげて販売しています。

私たちはこのキノコミュージアムとキノコ栽培所の見学をしました。

まず、キノコミュージアムでは、プラデホンのキノコの歴史やキノコの菌からキノコができる様子などが詳しく紹介されています。かわいいような奇妙なような大きなマッシュルームの像も印象的でした。顕微鏡で菌が見られるコーナーもあります。小さなミュージアムですが、英語での解説もあります。

栽培所の見学では、適温、敵湿度でしっかり管理された室内で育つマッシュルームと黙々と摘む人たちの仕事の様子を見学。

私たちもマッシュルーム摘みをさせてもらいました。そして食べてもいいというので、摘みたてを食べてみると…サクッとした歯ごたえにこれまで食べたことのない爽やかなキノコの味。子供の顔ほどの巨大キノコやエリンギの栽培も見せてもらえました。

「プラデホン」でキノコ三昧のコース料理 チャンドロ(Chandro)

キノコの街プラデホンに来たら、絶対行ってほしいレストランが「チャンドロ」。

「プラデホン」は、キノコツーリズムに力を入れているとはいえ、多くのツーリストは他の街からバスツアーで来るスペイン人。街を歩いているのはほぼ地元の人たちです。だから「チャンドロ」も大衆食堂的な雰囲気で、食べに来る人たちは常連さんばかりでみんな知り合い。

料理のラインナップは豊富ですが、ここに来たら絶対キノコづくしのコースを頼んでみてほしいです。「この料理のどこにキノコが入っているんだろう?」と驚く料理ばかり。

私は特にキノコ好きということはなく、なくてもいい食材くらいに思っていたのですが、「エビと鴨肉のハム、キノコの温サラダ」などを食べてみて「キノコっていい仕事する!」と思いました。デザートにもキノコが使われているというのが驚きです。キノコのトリュフ(チョコ)。ほのかな土の香りがあるようなないような。

コース料理は上品な量で盛り付けもきれいです。

ラ・リオハ州の秘境カラオッラ(Calahorra)

ラ・リオハ州の街、カラオッラは野菜の生産で有名な街です。観光大国スペインにおいて数少ない、観光の息吹が全く感じられない珍しい街です。「リオハ・バハ」地方にあり住人は約24,000人。4世紀から5世紀のローマ時代に栄えた貴族的な街並みを残しています。スペイン人の間でもあまり知名度がない街ですが、食べ物がおいしくて安い、そしてぶらぶら歩くだけで素敵な気持ちになれる秘境です。

カラオッラの見どころ 野菜博物館(Museo de la verdura)

カラオッラは野菜の名産地。瓶詰にしたピーマンなどが、北欧などのヨーロッパの国々に輸出されています。

そんな野菜の街だからこそ、街の規模からすると結構立派でモダンな野菜博物館があります。昔の農作業道具、カラオッラの農作物や保存野菜の展示から触って遊べる現代的な展示物まで、なかなかユニークです。野菜料理のレシピも取り放題。毎年行われる、野菜を使った服飾コンクールの優勝作品の展示は、特に印象的でした。

カラオッラの見どころ サンタマリア大聖堂(Catedral de Santa Maria)

カラオッラの中心地を抜けると、「シダコス川」という川のほとりに出ます。川に沿って「ボラス散歩道」という癒し空間が広がります。

この散歩道から見える、とても目立つ古い建物が「サンタマリア大聖堂」。この場所には古くから何度も何度も教会や聖堂が建築されていたそうで、現在のものは1900年ごろに改築されたもの。門は18世紀後半のものだそうです。

大聖堂の前の広場では子供たちが遊んでいたり、和やかな空間です。

カラオッラで食べる 「バル ラ・コメディア(La Comedia)」

エステバンシェフが作る創作タパスがおいしいバルです。

失礼な話ですがカラオッラは田舎街だし、世界各国の創作料理に溢れるバルセロナから訪れた私は、創作系の料理にはあまり期待していませんでした。

お店の外観も内装も特別お洒落ではありません。

それが、驚きの連続。いろいろ試せる量少なめで、とってもきれいでユニークな料理ばかりでした。地元のワインをゼリー状に固めて薬味のように使っていたり、細かいところまで手が込んでいます。そんな料理がとても安くて驚きました。

カラオッラで食べる レストラン シェフ・ニノ(Chef Nino)

ここはちょっと贅沢な雰囲気の大型レストランです。前菜からデザートまでじっくり時間をかけて食べるタイプの。

カラオッラの旬の野菜を使った料理からシーフードまで何でもありますが、やっぱりおすすめは地元の野菜料理。

なかでもおすすめの料理は「メネストラ・デベルドゥーラ(Menestra de verdura)」は野菜の炒め煮のようなもの。どこかほっこりするスペインの家庭の味です。

このお店の料理は全体的に塩味が薄めで野菜など食材の味が活かされている点が、とっても好みです。エレガントな雰囲気のお店なのですがやっぱり価格はバルセロナと比べると断然安い!

カラオッラで泊まる  「ホテル・シウダ・デ・カラオッラ」(Hotel Ciudad de Clahorra)

「ホテル・シウダ・デ・カラオッラ」(Hotel Ciudad de Clahorra)は、街の中心にあるので便利でおすすめ。

部屋はシンプルですが、25部屋のうち10部屋がシングルと、一人旅にも向いています。朝食も食べられるこのホテルのバルレストランは、タパスがおいしい!それに量がとても多いのです。夕食をさくっとホテルですませられるのは、便利ですね。

住人24人の小さな村にあるミシュラン星付きレストラン 「ベンタ・モンカルビーリョ(Venta Moncalvillo)」

車を走らせても走らせても木ばかりの車道の脇に、突然現れるレンガ造りの立派な田舎の家が、レストラン「ベンタ・モンカルビーリョ」。

当時は住人がわずか24人(今はもう少し増えているか減っているか分かりませんが)のダロカ(Daroca)という小さな村の入り口にあります。これだけ住人が少ない村にあるミシュラン星付きレストランはここだけなんだそうです。ご縁があって体験させていただいたので、「ベンタ・モンカルビーリョ」の魅力をまとめてみます。

オーナーが現場にいる信頼できるレストラン

お兄さんがサービス、弟さんがシェフを務めています。

凄いと思いませんか?

喧嘩とかしないのでしょうか?

お兄さんは、スペイン屈指のソムリエ。ちょうど私たちが訪れたときは改装中でワインセラーの部分はぐちゃぐちゃだったのですが、最近「ベンタ・モンカルビーリョ」の公式サイトを見るとすっきりとしたきれいなワインセラーが出来上がっています。お兄さんは、接客担当だけに社交的で、シェフは黙々と厨房で作業をされている印象でした。それぞれがそれぞれの持ち場をしっかり担当しているイメージです。

野菜やフルーツはほぼ自社栽培

レストランの前にはいろんな種類の野菜やハーブが育てられている畑があります。もちろんそれらの食材は料理に。

そんなにたくさんの異なる野菜やハーブを育てるのは大変だろうと思ったら、そこは村の農家の方に委託して管理してもらっているそうです。

畑はお兄さんが案内してくれたのですが、それぞれの苗をとても愛おしそうに触って見せてくれていた姿が記憶に残っています。丁寧に育てられた食材が丁寧に調理されてお皿に乗って出てくるのが、本当に心に伝わります。飾りのハーブ1枚をとっても乱れがなく完璧な装飾なのです。

繊細でユニークな料理

「ベンタ・モンカルビーリョ」の料理は多くのミシュラン星付きレストランのそれのように、とっても繊細でアートです。

量も少量。

そして野菜が活き活きしていて風味が強いのが驚きでした。

手作りのパンも香ばしくておいしいです。

内陸部のレストランにもかかわらず、料理は野菜と肉ばかりではなくタラのアゴ肉料理(バカラオ・アル・ピルピルといいます)などシーフードもあったし、とてもバランスがとれているデギュスタシオンコースでした。特にメイン料理までの料理は凄く凝ったフィンガーフードで、おいしいだけじゃなくユニークでした。

次はどんな料理が出てくるんだろう!とワクワクさせてくれるレストラン。デギュスタシオンメニューは季節によって変わります。

私が食べた一例は「ホワイトニンニクのクリームと自社畑の野菜。イワシの酢漬け添え」。わーこれはさすがにレシピもらってもできないわ。と思う料理ばかりでした。グルメな方、絶対1度は行ってみてください。